水道水について

水は生命のふるさと

人間の体内は70%が水分で構成されています。また、全ての生物は海から始まったとも考えられており、動植物問わず、生きていく上で水は必要不可欠なものです。お茶、コーヒー、ジュース...。味は変わっても大きく分類すれば全て水分です。日常的に飲用するものの中で、最も身近な水道水。水道水に対する関心の高まりから、最近では浄水器を取り付けてる方も多いと思います。「どういう水を普段飲んでいるのか」という視点から水道水について再確認していきたいと思います。

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1.水道水の現状。
「日本は水がタダで飲める数少ない国」と言われています。世界レベルで見ると飲料水はお金を出して購入しなくてはならない国が多く、その点日本は非常に恵まれていると言えるでしょう。ただし、「水がタダで飲める」だけであって、その安全性については健康への関心の高まりもあってここ数年疑問を持たれているのが現状です。経済成長とともに今までの浄水システムでは、十分に水が浄化できないために、色々な浄水器が発売されたり、新しい種類のミネラルウォーターが店頭に並んだりしてるのを目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。それでは水道水の何が危険なのでしょう?どうして日本でも水はお金を出して買う人が増えたのでしょう?

2.水道水に発ガン性物質が!?
水道水はそのままでも飲めるように蛇口から出てくるまでの過程の中で、アンモニアや細菌類、有機物などを除去するために塩素が使用されます。塩素によってこれらの有害物質は除去されますが、同時に塩素が発ガン性物質であるトリハロメタン発生の原因になってしまうのです。 もちろん、水道水の安全基準にはトリハロメタンなどの基準値も設定されていますが、この数値はもっと低くするべきという意見が一般的です。 加えて、塩素がアンモニアと化学反応を起こし、水道水特有の「カルキ臭」となります。「カルキ臭」自体は水を汲んでから2~3時間で消えますが、塩素は鼻につく匂いの他にも様々な有害性を含んでいるのです。

3.塩素の危険性
アンモニアや細菌類、有機物などを除去するために用いられるだけあって、塩素の破壊力は人体にとっても有害なものなのです。 例えば、塩素は髪や肌のタンパク質を破壊し細胞にも影響を与えるので、肌の保水力や保湿力を低下させ、乾燥肌やアトピーの原因になると言われています。 また、人体に有害であれば当然野菜など食物にとってもいいものではありません。塩素が含まれている水道水で野菜や米など食品を洗った場合、塩素によってビタミンが破壊されるのでビタミンの10~30%がなくなってしまいます。 それに、塩素がもたらす危険性はこれだけではありません。理科の実験で塩酸が鉄を溶かすことを覚えている方も多いのではないでしょうか?鉛の水道管の場合、塩素が水道管を侵食するため、人体にとって非常に危険な鉛が水に溶け出してしまうのです。 日本では現在、鉛の水道管は使用禁止になっていますが、半分以上の家庭がいまだに鉛管というのが現状です。 鉛は一度身体に入ると外に出にくく、疲労感や不眠などの他、脳への影響も指摘されています。このため子供の学力低下・記憶力低下が懸念されます。 今後、上水道は鉛管からステンレス管やプラスチック管へと変わっていきますし、水を浄化するためのものも塩素以外のものへと研究が進んでいますが、予算の関係もあり、まだしばらくは現状が続くことが予想されます。

4.日本も水にお金をかける時代に
水道水の危険性は塩素だけではありません。色々な懸念材料はあるものの何とか飲める状態で送り出される水。しかし、これはあくまでも浄水場から送り出された段階での話なのです。マンションなどでは一度水をタンクに溜め、そこから各家庭へ配水しているのが一般的です。このタンク自体が汚れていたり、タンクから各家庭への水道管が腐食していたりすれば、塩素以外にも水の汚染は進みます。マンションのタンクなどの水質管理などは大家さんや管理会社の責任です。1年に1度は検査をしたいところですが、杜撰になっている部分がないとは言えません。残念ながらほとんどの地域で安全な水を手に入れるのは個人の判断によるものとなっています。高度経済成長などによる水質の汚染から、「日本の水道水は安全」という神話は過去のものとなりつつあります。

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